財団概要

理事長ご挨拶

橋本 敏明

 

本財団創立者・松前重義先生は、財団設立の頃に、次のように述べています。

「…『汝のパンを水の上に投ぜよ。多くの日の後に汝ふたたび之を得ん』

とは旧約聖書の言葉であるが、私たちは次の世代の子孫のためにもパンを水の上に投じなければならないと思うのであり、松前国際友好財団を発足させようとする私の意図はまさに以上の理由によるのである」(『望星』1979年6月号、東海教育研究所)

松前重義先生が水の上に投じた一片のパンは、濁流が渦巻く中にその存在を確実に示しています。本財団が諸外国から日本に招いた研究者の総数は、1979年の創立から2016年度までの38年間で775名(115か国)にのぼりました。まずもって本財団の目的に共鳴され温かく受け入れてくださった大学、研究機関の指導教官の先生方に厚く感謝するとともに、平素ご支援ご協力をお寄せいただいている皆々様に衷心より御礼申し上げます。

ところで、ここでのパンのたとえは何を意味するのでしょうか。私は、平和と友好を願う教育を表していると考えます。それは、世界共有のものである学問研究を通して「人」の輪を広げようという平和への意志といってよいでしょう。民間の国際交流が真の友好親善を培うとの信念から学術・文化・スポーツの交流を推進された松前重義先生の不撓不屈の精神にほかならないと、私には思えます。

本財団は、日本と世界を結ぶ「人」をのこす事業を通して国際友好親善に貢献し、未来を拓くことを目指しています。このことは高度な科学技術時代においては大変重要であり、昨今の緊迫した国際情勢の中ではなおさらです。地道な活動ですが、ご賛同いただく皆々様と共に歩みを進めることができれば幸いです。今後とも温かいご支援ご協力をお願いします。

東京都杉並区上荻の財団事務所は、戦前、戦後の歴史を見届けたであろう旧足利惇氏邸を改修した日本家屋で、閑静なたたずまいの中に和の心を感じる雰囲気があります。庭園は、眺めて楽しく、移り行く武蔵野の四季が目に、心に入ってきます。室内には、奨学者からの民芸品が並び国際色も豊かです。ぜひお立ち寄りください。

橋本敏明 プロフィール

1949年 広島市生まれ 1972年 東海大学文学部文明学科卒業

1975年 学校法人東海大学に入る。学務部体育課長、望星学塾副塾長(~現在)、体育学部教授(~現在、専門分野は体育学、武道学)、体育学部長、高等教育部部長として教育、研究、運営業務に従事する。この間、柔道を通した国際活動の展開に尽力した。

現在、学校法人東海大学評議員、常務理事、学園史資料センター長、東海大学出版部長など。